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固定バイアス回路(クラブ資料)

固定バイアス回路(クラブ資料)

固定バイアス回路は電流がhFE倍出来るのですが、hFEには部品個体差があり、古くなると小さくなったりで不安定。また、周りの温度が高くなると熱暴走状態になることもある。室内にエアコンの無い悪環境では不向き。ここでの熱暴走とはIcの増大を意味するが、もちろん、電源の力以上の暴走はしない。

設計はトランジスタの絶対定格を超えないコレクタ電流を決め、hFEから各パーツの値を計算します。

20230122-1_1__large.jpg      Vbe = Vcc - Rb × Ib ・・・・ 式①

上記の式が保たれ、Vb(ベース電圧)が0.65V以上であれば、トランジスタはONとなり続けます。Vccがフルに使えますので増幅度としては一番良い。しかし、Icが増大していったとしても、この式は正常に保たれる(式の中にIcが無い)ことから、熱暴走を許す結果となります。そこで、式①で回路を安定させる事を諦め、別なバランスで回路を構築したのが自己バイアス回路(電圧帰還バイアス回路)と電流帰還バイアス回路です。これらは安定させれば、させるほと、増幅度は低下する回路となります。複数のトランジスタを用いることで、安定の代償で失った増幅度を構築する回路が今の主流です。

20230123-005.jpg

  1. まずはIc(コレクタ電流を、適当に1mAと決定。コレクタ電流はトランジスタの周波数特性や雑音特性に大きな影響を与えます。
  2. 今回はプラス側だけで振幅する増幅回路を作成するので、最大振幅は電源(Vcc)の半分を中心(動作点)とするので、抵抗Rlは、(12V÷2)÷ 1mA = 6000Ω
  3.  hFEが300とすると、電流Riは、1mA ÷ 300 ≒ 3.3uA
  4. 抵抗Rbは、(12V - 0.65) ÷ 3.3uA ≒ 3400kΩ

 

 

20230123-002.jpg

 

周辺温度が -25℃、25℃、75℃の場合は、左図のとおり。これは電源次第と思われますが、小電力設計の回路では命とりいなることが多いでしょう。

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