初段でバイアス電圧を決定する
0.3Vの入力音声信号をトランジスタにベースから入れる時、0.64V以上(0.6Vが一般的?)ぐらいのバイアス電圧と呼ばれる電位が必要となります。NPNトランジスタの場合は図のエミッタ抵抗(R6)へ流す電圧を意識して電圧値を決めますが、それを決めるのがR4とR5の分圧抵抗です。この2つの抵抗は一般的には電源に直接つながっており、決めた電圧を電源から取り出します。
このベースに流す無音時の電圧はトランジスタによって異なりますが、1.2Vから2.7Vが多いです。ただし、トランジスタの中には5V以上流さないと動きが安定しないタイプもあります。
このベースに送る無音時の直流は上に説明した通り、バイアス電圧(0.64V)+エミッタ抵抗電圧ですが、設計者の好み(トランジスタデータシートにある特性グラフで判断)やトランジスタの都合で、いろいろあります。
今回はネットの知識人の回路図を使用しますので、オリジナルに合わせて1.32Vとします。
次は他の設計者の選択例です。
電源電圧 R4 R5 作成電圧
24 V 300K 100K 5.57V
12V 1000 200 1.82V
バイアス電圧は0.6V以上とか、大まかな値を選んでも動作したりしますが、実際のところは、ちゃんとデータシートに特性グラフがあります。「Vbe(sat)-Ic特性グラフ」と呼ばれていますが、X軸のIcがドランジスタの希望するコレクタ電流でY軸のベースコレクタ間飽和電圧が最小バイアス電圧になります。この値以上のバイアス電圧だったら、必ずトランジスタがONとなり正常動作するわけです。
コレクタに1.4mAを流すと0.6辺りでベースエミッタ間が飽和するので、バイアス電圧は0.6Vで良いと思います。
Comment on this article
コメントはまだありません。
Send comments